夢は枯れ野を...

団塊世代夫婦の個人旅行記(海外、国内)をメインに、近所の散歩道、山歩きなど気の向くままに綴っています。

写真の無断転載はご遠慮くださいね。 ホームページ上から写真が大量に消えています。 勝手に写真を盗用され悲しい思いです。 大した写真ではありませんが、私にとっては大切な思いが詰まっています。 どうかご理解のほどを。

映画

ダウントンアビードラマのファンならやっぱり見たくなる新作「ダウントンアビー/新たなる時代へ」

久しぶりに映画館へ。
街なかもお買い物客など賑わいが戻ってきていました。

ダウントンアビーの新作映画が公開されるということで、ドラマファンの私は早速見に行ってみました。

前作の映画の続きから始まるストーリー。
結婚式で始まり、お葬式で幕が引かれる。

メンバーもほとんど入れ替わりなく、お馴染みの顔ぶれ。

第2次大戦前の活気あるヨーロッパの風景。
古き良き時代の最後の名残でしょう。
緑美しいダウントンアビーの景色そのままに、舞台は南仏にも。

ドラマファンとしては続きの物語が見たくてついつい見てしまいますが、やはり、ドラマチックだった激動のドラマに比べ、面白みに欠けるのは仕方ないですね。

これで最後ということで、全体としてハッピーエンド続きで、ちょっとな―という感じがしないでもありません。

映画でなくともドラマの特別版でも良かったくらいの規模です。

最後は執事のリア王の引用で締めくくられるのは、さすが。

欧米では詩や物語の暗唱は教養の一つですから、それをさりげなく入れるのはおしゃれですね。

激動する歴史の一コマと芸術魂「ある画家の数奇な運命 Werk ohne Autor」

お盆の関東を直撃した台風ですが、サイタマでは思っていたほどの豪雨にもならずほっと一安心です。
秋田など豪雨と続くところでは、皆さん祈る気持ちで雨が降り止んでくれることを願っているでしょうね。
どうか、早く雨がやみ、少しでも被害が少なく済みますように。


久しぶりに感動した「ある画家の数奇な運命」。
例によって安っぽい邦題ですが、自分たちの過去の歴史から目を離さないドイツの気概を感じる見ごたえのある映画でした。


ナチスドイツの台頭してくる戦前のドイツに育った少年。
戦争の影響がひしひしと押し寄せ、ユダヤ人以外の障がいのある人までガス室に送られる日々。
それを押しすすめる隠れナチの産婦人科医。

そんな暗い戦争が終わると今度はソ連の支配。
アメリカ的文化はすべて退廃的と一刀両断の美術学校。

そこで運命的な出会いを。


現代美術界の巨匠とされるゲルハルト・リヒターの半生を描いたこの映画は3時間を超える長編ながら、最後まで息もつかせぬ展開で見ごたえありました.

ナチが支配していく様描きながら、1人の支配者のせいにせず、これを選んだ国民一人一人の責任、そして隠れナチでありながら戦後も権力を持ち生き続けた人たち。

そうした史実を細かく描きながら、戦後、たぐいまれなる才能の持ち主の画家が、その地位を掴むまでの青春サクセスストーリーでもあります。


ギリギリセーフで東ドイツから西ドイツに逃れることができたので、今のような巨匠として活躍できたのであって、もし間に合わず東ドイツに残されていたら、こんな活躍はできなかったでしょう。

その辺のスリリングな状況もうまく表現されています。

この恋に落ちた女性が奥さんかどうかは怪しい限りですが...
最初の奥さんとの歳の差も17歳もあるので、ちょっと話は合わないですよね。

まあ登場する女性に関してはフィクションとしてぼかしながら、彼が自分のスタイルを確立するまでの芸術家としての苦悩はリアルです。



そしてそして、今ゲルハルト・リヒター展が国立近代美術館で10月2日まで開催されています。

少し暑さとコロナが収まったら是非とも見に行こうと思っています。


大切な子ども時代との別れが切なく美しい「アリス&ピーターパン はじまりの物語 Come Away」

先日CSで見た「アリス&ピーターパン はじまりの物語」。
あまり評判は良くない作品ですが、私的にはかなり好きな作品です。

原題は「Come Away」。
例によって安っぽい邦題をつけられてしまったので、アリスとピーターパンの冒険物語かと期待した方も多かったと思いますが、原題通りに受けとめれば、子どもから大人になる瞬間のファンタジーとすれば、すっきり落ち着く美しい物語だと思います。

米国映画では、しばしば「仔鹿物語」のような、子ども時代から大人へと変化する心の痛みや葛藤を描いた作品が数々ありますね。

無邪気な楽しい子どもから責任ある大人になることを突き付けられる瞬間。

日本ではあまりに子どもが甘やかされ、勉強さえしていればと大人になる責任を語ることが少ないですね。

いつまでも何もなかったかのように親の庇護に置いておく日本に比べると、自立ということの意味をきちんと子どもに自覚させる欧米文化。


この映画でも、ジェームス、ピーター、アリスという3兄妹の楽しい子ども時代から、ある日突然ジェームスの死によって大人になることを突き付けられる日々。

守ってくれる存在の両親も我が子の死を受け止められずアルコールに走ったりギャンブルに走ったり...

たとえ死であっても何もなかったかのように日常を取り戻す日本人と比べ、あまり重い我が子の死を受け止めきれず苦しむ両親の姿を子どもの目線からよくとらえています。
そんな母親を演じるのはアンジェリーナ・ジョリー。
彼女の映画では一番好きかも。


そして残されたピーターとアリスはそれぞれ、ピーターパン、不思議の国のアリスの世界にはいりこむことで、兄の死を乗り越えようとする。

ひと夏の子ども時代の思い出をつづった美しいファンタジー。

キラキラ輝く夏の自然、光、素敵な調度品。
どれもが美しい。


そして大人になったアリス。
ピーターはあえてファンタジーの世界にそのまま残し、お母さんになったアリス。

忘れさられてしまう子ども時代の一瞬がうまく切り取られています。




まさにアメリカそしてトム・クルーズの世界 「トップガン マーヴェリック」

あのトップガンの続編?新作?「トップガン マーヴェリック」をようやく観に行ってきました。

かなり前評判が高く、期待して行った私の感想は、まさにアメリカ。
米国人が好きなチャレンジ精神、仲間との絆、置いてきた過去の恋愛を取り戻す出会い。

映画の出来としては前作のちょっと軽薄な感じが無くなり、見所満載の撮影に釘付けの作品でした。
それゆえ、これは映画館で見るために作られた作品だなあという気がします。

トムクルーズのファンではないし、彼のスタイルが好きな人にはドツボにはまるのかもしれませんが、彼のかっこよさを際立たせるために作った作品と言っても良いかもしれませんね。


レディガガの主題歌はいい感じではまっていました。
これもザアメリカという感じで。

全体としては娯楽映画としてはなかなかという感じがしましたが、ちょうどウクライナ情勢と重なったこともあり、無理やりアメリカの偉大さぶりを演出しているという気がしないでもありませんでしたが。
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そして久しぶりにランチ。
旅行以外でランチは初めてかも。

ロコモコライス。
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セットのジンジャエールにローズマリーが入つておしゃれ。
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映画の半券で食後のコーヒーは無料でした。
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日本映画の新たな一分野を築いたお芝居愛に満ち溢れた「ドライブ・マイ・カー」

一昨日、久々の邦画「ドライブ・マイ・カー」を特別上映で見てきました。

3時間という長時間、しかもここのところ当たりの邦画をみていないという不安もあり、期待半分で見に行ったが、思っていたより楽しめる映画で、私的には諸手を上げてではないけれど、まあ評価の出来る映画でした。


今までの邦画にはない表現の多様性が素晴らしく、特にチェーホフの「ワーニャ伯父さん」の舞台の最後の部分は素晴らしい演技でグッときました。

映画の主人公は舞台俳優であり演出家の家福悠介、妻の音は脚本家。
最近は生のお芝居を見る機会もめっきり減ってしまいましたが、そんな舞台でのやり取り、台詞を通して物語りは進んでいきます。
そこで表現されるお芝居の台詞一つ一つへのこだわりや愛、そこには濱口監督の演じることの想いが良く伝わってきました。


前半の妻との思い出の部分は、村上春樹ワールド満載で、そちらはもう少し凝縮しても良かったかなという気がしましたが、それ以降広島に舞台を移し、そこで繰り広げられるワークショップと運転手みさきとのやりとりは見事。


日本語にこだわらない多言語の表現、そしてもっと究極には言葉もなく手話での表現。

「しかたがないわ、生きなければ!ヴァーニャ伯父さま、あたしたちは生きるのよ(岩波文庫版)」
というワーニャ伯父さんの最後の台詞は、コロナ禍そしてウクライナ侵攻というこの時代だからこそ心に突き刺さってきます。

そしてつらい過去を背負っていきてきたみさきも、犬を乗せ海辺を車で運転するというシーンで終わります。

もしかしたら日本より海外受けする作品なのかもと思いながら、あえて多言語国ではない日本だからこそできる表現にじわじわ感動が来ています。

昔読んだチェーホフも今は図書館の奥の書庫から出してきてもらわなけばならないほど人気のない本になってしまいました。



何の因果か、チェーホフはロシアを代表する短編作家と評されながら、実は今のウクライナ東部の生まれ。
暮らしていたのもウクライナ南部。
当時は極寒のモスクワから冬の寒さを逃れるため、ウクライナ南部に貴族たちは避寒のための別荘を構えていました。

ロシア貴族から見ればウクライナもロシアの一部という論理はありえなくもないですが、今は21世紀。
それぞれ独立国家である以上、貴族の別荘地ではないですよね。

キレキレのダンスとスピルバーグ監督の美しい映像が見事なミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリーWest Side Story」

昨日久しぶりに映画を見に行きました。
1961年上映の「ウエスト・サイド・ストーリー」が新たにスピルバーグ監督によってよみがえったミュージカル。

思っていたより平日にもかかわらず混んでいて、やはり61年当時に生上映で見た世代の方が多かったようです。


それほど巷では大きな話題になっていませんが、猥雑なNYの下町の映像がスピルバーグによって美しい映像によみがえります。

よりリアルにスペイン語と英語を混ぜた会話も素晴らしい。

61年版ではナタリー・ウッドがマリア役を務め圧倒される演技でしたが、今回マリア役のレイチェル・ゼグラーもそれに匹敵する素晴らしい演技と歌声を披露しています。

NYの地下鉄に乗れば、暴力や貧困、人種差別のなか生活している下町からハイソなお金持ちが住む山の手へあっという間に移動できてしまいます。

たったそれだけの距離になのに、埋まらないもの。
プエルトルコ系とポーランド系というどちらもアメリカでは弱者の存在である若者たちの間の埋まらぬ距離。

世界中が格差が拡大し争いが絶えないこの時代だからこそ、最後を救うものは愛なんだと訴えているような気がします。

この21世紀に存在するレトロな純愛。
二人が語り合うシーンは何物にも代えがたいほどの美しさ。


前回アニータを演じたリタ・モレノが今回は二人を見守るバレンティーナ役として登場します。
悲劇の二人をロミオとジュリエットのようにシャンシャンで収められない現代。
それでも希望をというのがスピルバーグ監督の願いだった気がします。

3時間弱とかなり長い上映時間でしたが、ミュージカル好きならあっという間に感じるでしょう。

イケメンたちのキレキレにダンスも見ごたえあります。
多くのミュージカルファンに見てほしい映画ですね。
(写真は20世紀フォックスのHPから借りています)

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若かりし頃のジョニー・デップの煌めく演技 久々当たりの映画「妹の恋人」

久々当たりの映画と出会いました。

1993年公開の「妹の恋人」Benny&Joon。

両親の事故死により心の傷を負ってしまったジューン。
その妹の面倒を見ているベニー。
原題はその兄妹の名前から取られています。

あまりに大変な状況にグループホームに預けることを勧められるベニー。

あるひょんなことからそこへ一緒に暮らすようになったサム。
彼もキートンやチャップリンの物まねが得意な優れた才能を持っているが、読み書きは苦手。

そんなジューンとサムがいつしか心惹かれ、二人で自立して生活しようと試みるが...


サムを演じるジョニー・デップの演技がまず素晴らしい。
素顔で演じる彼はキュートで、そして才能豊か。

兄のベニーを演じるエイダン・クインはエレメンタリーの警部さんのイメージしかなかったですが、アイルランド系のブルーの瞳のイケメン。
私は声フェチなので、彼の話し声もお気に入り。

ジューン役のメアリー・スチュアートの繊細な演技も光ります。


現実はもっと厳しいのかもしれませんが、この作品全体に感じる希望が私は好きです。
二人で暮らし始めたアパートでサムにアイロンで作るホットサンドを教わるジューン。
サムはその他にもテニスラケットで作るマッシュポテトなど、ユニークな料理が登場。


また主題歌の「I'm Gonna Be 500Mile」というザ・プロクレイマーズの曲も良いです。

こんなコロナ禍だからこそ感じるのかもしれませんが、先は長いけどまず第一歩を踏み出してみようよというメッセージはピッタリ来ます。

演じている役者さんがどなたも若く、キラキラ輝いています。
年老いてからの円熟した演技も良いですが、若さみなぎるキラキラ感は大人になって重い腰を上げることができなくなってしまった世代から見ると眩しいですね。

そしてそれがこれからの希望なのだと感じた作品でした。




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