家にこもってできることと言ったら読書か映画鑑賞はたまたテレビ。


先日シネフィルWOWOWで「ひまわり」を放映していたので久しぶりに見ました。


今回で4回目くらい。

見る度に受けとめ方が少しづつ変わり、やはり名作と呼ばれる映画は奥が深いなと感じました。


1970年製作のこの映画は主演がソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニというイタリアを代表する俳優さん。

ソフィア・ローレンは気丈なイタリア女性、マルチェロ・マストロヤンニはちょっと軽いイタリア男をうまく演じています。


監督はネオレアリズモ(イタリアンリアリズム)の一翼を担ったヴィットリオ・デ・シーカ。

ナポリの美しい海岸の夕日、ロシアで走り去る蒸気機関車の力強い煙、ラストシーンのミラノ駅のホーム。
ひまわり畑のシーンだけでなくどれも美しい映像が物語を引き立てています。


最初に見たときは悲しい結末に終わる恋愛映画という見方しかしていませんでしたが、ロシアの大地に広がるイタリア兵士のお墓、慰霊碑に刻まれたソ連の詩人の詩の一説、雪中行軍の映像など、戦争を知らない私たち世代にも訴えかけ戦争の悲劇を伝える映画なのだという思いを新たにしました。


この歳になるとハッピーエンドだけが人生にとって重要ではないと思うことはしばしばあります。
戦争によって引き裂かれた運命、それぞれ別の人と歩む人生。
その日常の中で子育てをし年老いていく...

だからこそだからこそ........

最後の別れのシーンはやはり涙なしで見ることができません