昨日1995年製作BBCのドラマ「高慢と偏見」が一挙放映されました。

ジェーン・オースティンの原作は何度もドラマや映画になっていますが、その中では私の一番のお気に入り。


「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したコリン・ファースの若かりし頃のキュートな魅力がいっぱい。

英国でイケメンというと細面のヒュー・グラントといった面々とコリン・ファースのような童顔系に分かれると思います。
私的にはコリン・ファースはかなりお気に入りの部類に入る俳優さんで、その後のブリジット・ジョーンズのシリーズはどれも好きだし、「マンマ・ミーア」のハリー役もお気に入り。

特に声フェチなので、彼のちょっと渋めの声はかなりメロメロ。


エリザベス役のジェニファー・イーリーもイメージにピッタリの知的で落ち着いた雰囲気がいいですね。


ジェーン・オースティンはいかにも英国らしい雰囲気を持った作家として有名ですが、実は原作のちょっと装飾過剰の文章は私的には苦手で、なかなか最後までたどり着きません。

そんな装飾過剰の文章も映像としてさらっと流されると嫌みがなくむしろ登場人物を引き立たせるわき役として、お屋敷の調度品やお庭が楽しめます。


幼くして父を亡くしたジェーン・オースティンの父への憧れをこの作品でも感じ、娘と父の交流はきめ細かく描かれる一方で、母や妹たちに対しては辛らつな視線を注ぎます。


ごくありふれた田舎の中流階級の様々な人間関係、そして広大な領地を持つダーシーとの結婚に至る経緯は、単なる玉の輿物語では終わらない、彼女の人間性、意志の強さ、状況に見極められる機転などすべてが備わって選ばれたのだと思います。


英国のマナーハウスは今でも存在しますが、どれも存続していくためには、経営者として厳しい努力も求められることでしょう。

最後のシーンで末っ子のリディアとウィカムが自堕落に生活している様子とは好対照ですね。


一話一話ハラハラドキドキしながら見るのもいいですが、一気に見ることで、物語を読むような感覚で楽しめました。


25年も前の作品なのに変わらぬ魅力をたくさん持った英国ドラマだと思います