大雨の被害が心配な毎日ですが、関東地方も連日うんざりするほどの雨続きで、最近はウォーキングにも出かけられない日々です


雨が止めば庭に出てみたり...
そして読書の日課です。


アゴタ・クリストフの「悪童日記」は大きなインパクトを与えた本ですが、それに続く第2,3作は手元にないため、昔々読んだきり。

図書館でようやく見つけ25年ぶりに読み返してみました。

作者のアゴタ・クリストフはハンガリー生まれの作家。
ハンガリー動乱の時に西側に亡命し、スイスに在住し2011年に亡くなりました。

第2次世界大戦の戦場となったヨーロッパの各地。
そしてその後の社会主義国家による統制。

彼女の体験がそこかしこに反映している2作品です。

「悪童日記」のあまりのインパクトの大きさに第2作はその真価が問われる作品として注目を浴びましたが、全く違った切り口でありながら、彼女の持ち味はそのまま、さらに奥深い作品になっていました。

登場人物の口から当時の締め付けが厳しかった社会主義体制の様子は語られるものの、描かれるのは個としての人の生き様です。

平和な日本でも最近は目を疑うような事件が相次いでいます。

表面的に取り繕っただけでは解決できない人の心。



これらの作品は母国語ではないフランス語で書き上げられています。
亡命したのちの習得した母国語でない言語で表現したからこその彼女の文体は、私的にはヘミングウェイに通じる乾いた空気を感じます。


そして改めて彼女の文学に対する深い愛情を感じました。
本屋で片っ端から読書する主人公の姿は作者と重なります。

どんな悲惨な状況でも文化が救いになる。
あまりに短絡的な情報があふれているこの日本で、彼女の作品の重さをかみしめた今日一日でした。
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