昨日NHKBSで放映された「老人と海」。


元々ヘミングウェイの作品は大好きで、簡潔な文体と乾いた空気が私好みでほとんど読破しています。

その中では「老人と海」はノーベル文学賞受賞に寄与した作品ではあるのですが、私的にはちょっと苦手だった作品。

巨大な魚と老人との長い長い闘いのシーンが私にとってはちょっと退屈でした


そんなわけでいくつも映画化されたヘミングウェイの作品の中で、これだけは見逃していました。

見始めると思わず引き込まれるヘミングウェイの世界。

簡潔で美しい文章がそのままナレーターとして登場します。
スペンサー・トレーシーも小説のイメージそのまま、いい感じで年老いた漁師の役を演じています。

そしてハバナの酒場の雰囲気、美しいメキシコ湾の映像。
どれも映像の世界ならではの表現です。

ちょっぴり退屈だったカジキマグロとの死闘もリアルに描かれ、そこで負けずに頑張る姿はやはりアメリカ映画ですね。

自然は征服するものという欧米の考え方と自然は同化するものというアジア的な考え方の違い。

ここまでの死闘はやはり日本人には抵抗があるかもしれません。


最後は少年の温かい言葉に救われます。
死闘は一人だったけれど、迎え入れてくれる人がいるということに...

老人だけでなく、見ている私たちにとっても救われるシーンですね。