ちょっと前ですがNHKBSで放映された「ライムライト」。
何十年ぶりに見直し、若い時には気づかなかったチャップリンの思い、痛いほど感じる視聴となりました。


この映画に関しては評価もまちまちで期待外れだったという声もありますが、私的には見直すことで新たな発見のあった映画でした。

若かりし頃は輝き、人気絶頂だった道化師カルヴェロ。
若く美しく心優しいテリーというバレリーナの命を救ったことから始まる交流。
(この辺はかなりチャップリンの理想の女性が登場していますね)


かつての輝きを取り戻したいともがき苦しむカルヴェロ。
老いていけば過去の栄光にしがみつき何とか自分を守ろうとする気持ち、今になってよくわかる気がします。

若く美しい女性に思いを寄せられるのも男性の最後の憧れでしょうか?
そんな彼の憧れを夢見ながら、最後には若いカップルの幸せを願い、舞台で亡くなるというこれまたチャップリンの生き方の理想が表現された形で映画は幕を閉じます。


初めてチャップリンが素顔を見せたということでもこの映画は評判に。
かつての舞台を演じる相手役としてこれまた喜劇俳優として有名なバスター・キートンが務めています。

アメリカの映画界を去る最後の作品ということで長年の盟友であった彼との共演も最後に果たしたかった夢なのでしょう。



映画の出来よりもチャップリンの思いが勝ったこの映画。
主題曲のライムライトと共にいつまでも心に残る作品です。