遅ればせながらカンヌ国際映画祭のパルムドールに輝いた是枝監督の「万引き家族」を見に行ってきました。


公開からかなり日が立っているにも関わらず、平日の映画館はほぼ満席。
さすが文化度の高い浦和ならでは。
観客はレディスデイと言うこともあり、女性のお客さんが7割がたを占めていましたが、みなさんマナー良く、最後まで映画の余韻に浸ることができました。


もともとカンヌ映画祭の作品は好きな作品が多いのですが、この作品もパルムドールに輝くだけあり、役者さんたちの演技も素晴らしく、個が優先される今の日本で人とのつながりをやんわりと描き出した作品に魅了されてしまいました。

血の繋がっていない他人が家族として暮らすことは海外ではよくあることですが、なかなか日本ではそこに行きつくことは難しいのが実情です。

一見ハチャメチャの家族風の人間関係の底にある人とのつながり。
きれいごとで言うことは難しいかもしれませんが、排除の時代だからこそのつながりは一言では言い表せない重みを持っていると思います。


つい最近父を亡くした私にとって、改めて人は一人では死ねないという思いを強く持ちました。

現役で働き個を満喫している世代の人たちも、やがて誰かのお世話にならなければ死を迎えることもできません。

おひとりさまが持て囃される今だからこそ、様々な形で人とのつながりを模索していく監督の描き方に共感を覚え、できることなら、若い世代の方にももっともっと見てほしいなと思った作品でした。